キスについての20のお題 03.手  
昨日終わったばかりの女王試験に競り勝ったのは、高貴な蒼の薔薇のレディ。
閉じこめて、掴んで、離したくないと思ったその人が、
この世界の至高の存在となり、手の届かない高みへと続く緋の絨毯を進む。
ゆっくりと、でも確実に・・。
まるでここにいる俺のことなど、気にもとめない風に・・。
女王になることが、私の全てと・・
例えこの心がオスカー様を慕って血の涙を流し続けても
私は自分の決めた女王になるという道を違えたくはないと。
そう言い切ったその蒼の瞳が、その決意が
尚いっそう、俺の心の炎を煽る。

初めてであったときからそうだった。
ロイヤルブルーの強い意志を秘めた瞳は、ただまっすぐにその高みだけを見つめていたのに・・。
そして・・
その強い光を宿した蒼の瞳に。
俺の心は捕らわれた。
淀みなく、迷い無く、・・。それがどれほど難しく、そして困難なことか・・。
ぶつかり、躓き挫折しそうになっても、そらさずに見つめ続けることがどれほど辛い物か。
今の俺になら手に取るようにわかる。
それを成し遂げた君はまるで、蒼の薔薇だ。
この宇宙に存在せず、どんなに改良を重ねてもその鮮やかな蒼は生み出せない。幻の花。
まさに・・。
この緋の絨毯を進む君は・・。
俺にとってのブルーローズだな・・。

まさか・・・。この俺がこんな気持ちを抱くとは・・。
厳粛な式典の最中に不謹慎かと思ったが、ふと自嘲気味な笑いが溢れそうになる。
まぁ・・それを顔や態度に出すほど子供ではないが。

玉座にたたずむ、君の手へ・・。
忠誠と、そして永遠の誓いを込めてそっとキスを落とす。
これから先の未来。そのまままっすぐに進めばいいさ・・。
俺は俺の持つ全ての力を使い、
その君の全てを守る騎士となろう。
例えサクリアが尽き、俺がこの聖地を離れることになったとしても・・・。
忘れるんじゃないぜ?
その手に落とした忠誠の誓いを・・。


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せっかくの企画部屋設定なので、
オスリモを書いてみようかな〜なんて思っていた私の思考は
3秒もしないうちに打ち消され
ルヴァリモを書いたら、なぜかオスロザも書きたくなったり・・。
ルヴァリモが切ない系だったら、なぜかオスロザの切ない系にしたかったり・・。
要するに、セットになっているらしい・・。
台詞なしの創作(といえるのかこれが・・。)
一度は書いてみたかった・・それだけです。


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