時計仕掛けのI Love You8

Angelique



目が覚めたらベッドの上だった。
ぐったりと重い体を引きずるようにして、私はベッドの上に体を起こした。

「宇宙は・・?」
ベッドの傍らにいたレイチェルは突然飛び起きた私にびっくりしながらも、にっこりと笑顔になった。

「大丈夫。持ち直してきた。今もう安定してきて生命も増え始めてる。」
「よかった〜!」
気が緩むと同時に力が抜けて、私はベッドにへなへなと横たわった。

「あのね、でも、どうしよう・・・オリヴィエ様、帰っちゃったんだ。アナタがお礼を言いたいと思って、目が覚めるまで待っててくれるように言ったんだけど、用事があるからって、すぐに帰っちゃったんだ。」

レイチェルは、口には出さなかったけど、私の気持に気が付いてるみたいだった。引き止められなかったことに気が咎めてるらしい。

「ううん。いいの、別に。後でお礼の手紙送っておくから」
私はレイチェルににっこりと笑ってみせた。

「でも・・・・・アナタそれでいいの?」
「うん。いいんだ。大丈夫!」


もう、いい。
そばにいなくても、そんなこと、どうだって。


宇宙の向こう側からオリヴィエ様が送った力は私にも届いていた。
誰も私の明日を作ってはくれない。
私が願わなきゃ、望まなきゃ・・・・。

私の心の中で小さな夢の種が芽を出し始めた。
いつか叶えるから。
どんなに可能性が低くても、あり得ないようなことだとしても。
この夢を捨てない。守るから、きっと。

それまで
あえなくてもあなたはいつも、この心の中にいる。




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