<幻櫻鬼1>
―――逢いたい。 夢で構わない―――最後の夢でいいから・・ こんな風に運命を捻じ曲げ、歪めてしまうのはきっと傲慢。 こんな風に貴方に逢うのは・・絶対に残酷。 だって・・・こうしていられるのは この花が咲いている間だけだから・・ 散ってしまったら・・また、 サヨナラを云わなくちゃいけないから・・ でも・・どうしても・・逢いたい。 このまま消えてしまうのは・・嫌。 貴方を忘れてしまいたくなくて・・ 貴方に忘れられてしまいたくなくて・・ だから私は・・運命の輪を捩じ曲げる。 ごめんなさい・・ 貴方を苦しめるだけだって、解ってる でも・・もう、この想いが止められない。 願い事叶うなら・・たった一つだけ。 あのヒトに逢いたくて・・ 今宵私は・・・ ―――鬼に―――なる。 |