それは、明らかに共存だったのだ・・。
私達にとっても、そしてかれらにとっても・・・。
私達は私達の生を守るために。
彼らは彼らの大地と、子孫と、命を守るために。
この世界に残った最後の希望の光。
彼らにとっても、そして私達にとっても・・。
この地は、最後の楽園だった。
たとえ、それが誰かの犠牲に成り立っていたとしても。
他にどんな選択肢があったというのだろう。
だからこそ、私達は契約を交わした。
遙か遠い日。
既に、この地にそのキオクを持つ者はいない。
ただ、湖を望みそびえ立つその塔だけが・・・。
全てを知り、全てを見守りただ変わらずにたたずんでいた。
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