<僕のバレンタインデー2>
帰り道・・・・ 僕は両手いっぱいのプレゼントを落っことさないように、フラフラとバランスをとりながら土手の上を歩いていた。そしたら丁度向こうの方からゼフェル様が歩いてくるのに出くわしたんだ。
「おめー・・・・すげーな、それ全部、もらったのかよ。」
ゼフェル様は僕の腕の中を覗き込むと、呆れたような声を出した。
僕は曖昧にうなずいた。もらった理由を聞かれても答えられないし・・・・・ちょっとバツが悪い気分だった。
ゼフェル様はちょっぴり眉を寄せて深刻そうな顔になると、僕に言った。
「言っとくけど、おめー、そうなってくると・・・・後がやべーぜ。」
「・・・・ どういうこと?」
「まっ、おめーにもそのうち分かると思うけどよ、・・・男なら本気一本、オンナ泣かせんじゃねーぞ。」
そう言うとゼフェル様は乱暴に僕の頭をぐしゃっとなでた。
見るとゼフェル様が片手に持っているシワだらけの茶色い紙袋の中から、リボンのかかった紅い包装紙の包みがちらりと見えた。
「それ・・・ゼフェル様ももらったの?」
思わず聞くと、ゼフェル様はなぜかたちまち真っ赤になった。
「ばっ、バーカ!見てんじゃねーよ!」
ゼフェル様は紙袋の中に包みをぎゅっと押し込むと、「じゃあな!」 とかなんとか言ってそそくさと走り去ってしまった。
へんなの・・・・。
今日はなんだかへんてこなことばかり起こる一日だった。
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