想囁匣-orgel-2
閉じ込めてしまいましょう・・・
貴女への・・・強過ぎる思いを。
しっかりと鍵を施けましょう・・・
誰にも開けられぬように。
貴女の微笑みは、
まるで光のようで・・・
温かく・・眩しく・・
そして・・・苦しかった。
わたくしが望んではいけないモノだと・・
あの羽根は宇宙(そら)の為のもの、
あの微笑みはそれを求める全ての民の為にあると・・
誰かが耳打ちしているようで。
貴女を優しさで包み込みたかった。
どんなものであれ
哀しみや苦しみから出来うる限り遠ざけたかった。
いつまでも・・わたくしの手の上で羽根を休める
わたくしだけの愛らしい小鳥であってほしかった。
赦されるのなら貴女をこの手に縛めてどこへも行かせなくない・・・
そう・・この感情も、しまい込まなくてはいけませんね。
ああ・・想いを告げ、貴女をどれだけ宇宙から奪いたいと願ったことか!
けれど・・貴女はきっと私達だけの幸せを快しとしない。
宇宙の哀しみ、民の苦しみを放りだして恋の悦びに浸るような・・・そんなヒトではない。
そんな貴女であるが故・・・・
わたくしは貴女に惹かれ・・貴女に焦れたのですから。
告げてはいけない・・・
たとえ・・貴女に二度と逢えなくなろうとも。
囁きほどの言葉でもそれは、鍵となるでしょう・・
鍵となり・・扉は開かれる。
隠された想いは、逆巻く渦へとなり・・
貴女を飲み込まずには居られない。
そう・・・貴女は知らないままで良いのです。
貴女を押し流してしまいそうな自分に慄いている臆病者など・・どうか知らずにいてください
そのまま、思うが侭に羽ばたいて下さい・・
「どこにいても・・なにをしていようとも・・アンジェリーク。
貴女を愛しています・・・
それだけは・・・決して変わらない・・
わたくしがわたくしである限り。」
望むのは・・・貴女の幸せだけ。
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